以前ちょっとふれましたが、10年前の前後(ややこしい)に大学院という所にいました。
そこでは、教授に与えられたテーマで研究をしていました。
歯周病学講座の大学院生だったので、歯周病に関する実験を皆でしていました。
偉大な先輩方は、GBR(骨再生療法)の研究や、骨粗鬆症と歯周病の相関関係を解明したり、同級生は骨粗鬆症薬と、、、難しくて忘れましたが立派に研究しておりました。後輩も歯周病にとって大敵の喫煙に関するニコチンと歯周炎の関係や、骨補填材の研究を行っておりました。
私はといえば、インプラントのアバットメントと周囲歯肉の炎症を調べたり、酸性水がインプラント表面性情に及ぼす影響を調べたり、レーザーによるプラークコントロールの研究をさせて頂いておりました。
レーザーは今でこそ、進化し当たり前のようにポケット内の殺菌や消炎処置に用いておりますが、以前の物は高出力を持て余したり、パルスなども今程きめ細やかな設定も無かったため、ポケット内にはちょっと使えない代物でした。
そこで、低出力のレーザーとどこにでもある殺菌剤を併用してプラークコントロールしちゃおうというのがテーマでした。抗生剤は耐性菌の出現が懸念されるため最低限の使用にとどめたい所です。どこにでもある殺菌剤にレーザーを当てる事で非常に高い殺菌効果が得られることを究明する所までは行きました(難解なので省きます)。
ある先輩には研究のための研究なんかするな、と言われたのを今でも覚えています。
つまり、臨床応用できない事なんか辞めろという事だったのでしょう。
実際使えませんでしたがしかし、その実験は先輩方から受け継いで来た物であったし、殺菌効果のメカニズムを解明出来たので私には満足でした。
時が経ち、今はこうしてCO2レーザーでポケット内の殺菌、オペ後の創面の殺菌、創傷治癒促進など行っている時ふと当時を思い出します。
装置や術式は異なりますが、当時考えていたような事が現実に行われているんだなあ。
素直に便利な世の中に感謝!
教授のご好意でイギリスのジャーナルに投稿させて頂いた懐かしい論文です。
lasers in Medical Science
こだわりは、参考論文の一番目に nature を持って来た事です。
scienceでも良かったのですが(お呼びでないですね)、journal名にscienceって入ってるからいいか、ってな訳で。
いや、まじめに実験してたんですよ。